木造建築物への劣化対策について

建築基準法 施行令49 条第２項では、防腐防蟻措置を施すことを定めているが薬剤の指定はされておらず、使用が規制されている有機塩素系のクロルデンや有機リン系のクロルピリホス以外であれば販売されている薬剤の何を使っても良いことになっています。

しかし、長期優良住宅などの施策を利用する際には公益社団法人日本木材保存協会（以下JWPA）、または、公益社団法人日本しろあり対策協会の認定薬剤であることが求められていることから、両団体のどちらかに認定されている薬剤が主流となり、その多くが農薬系合成殺虫剤を主成分とする防腐防蟻剤となっています。

2011 年　ホウ素系認定薬剤が誕生
JWPA よりティンボアPCO（八ホウ酸二ナトリウム四水和物）が防腐防蟻剤として認定されました。
ホウ素系認定薬剤のティンボアPCO（八ホウ酸二ナトリウム四水和物）は鉱物なので従来の農薬系合成殺虫剤を主成分とするものとはまったく別のものとなります。

農薬系合成殺虫剤しか選択肢がなかった日本の防腐防蟻剤に明るい出来事となり、ホウ素系薬剤でも長期優良住宅やフラット３５などの金利優遇、税制面の優遇、補助金などの事業に使用できる薬剤となりました。
その後、続々とホウ素系認定薬剤が誕生、2023 年現在１６種類が登録、認定されています。

ホウ素系認定薬剤とは、日本産業規格（旧日本工業規格）JIS K 1571 : 2010 附属書Aに定められた防蟻性能、防腐性能、鉄腐食性能試験に合格したことで、防腐防蟻性能を認められた薬剤で、世界中でもその性能は認められています。

木材の劣化対策において、農薬系殺虫剤の選択肢が主流でありますが、弊社は安心安全なホウ素系認定薬剤のティンボアPCO（八ホウ酸二ナトリウム四水和物）のみを予防の処理に使います。

また今後の中期長期のビジョンにおいても木材への塗布に関しては安心安全なもの、揮発性の無い効果が長続きするもののみを使い、真にランニングコストの良いものの提供を致します。